2007年12月26日 千の風になってとアニミズム
(とし坊 1939年 生まれ)    
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今年も恒例のオリコンヒットチャートが発表された。大体、年寄りには普通はあまり関心ない世界であり、ニュースである。一応ギターで音楽らしきもの、特にポピュラーを弾くことを楽しみとしている自分に、目に付いただけなのかもしれない。過去からの一位では、演歌や歌謡曲もあったのに、最近は若い人対象の曲が多くなり、幾分付いて行けない現象もあるが、必至に付いて行くことにより、若さも保たれるのであろう。

ぼくのギターを弾く仕方は、ほとんどギターソロ用の楽譜を元にして演奏していて、中には歌や音楽そのものを聴いたこともない場合もあり、全ては自分流に解釈して演奏している。ギター演奏では、原曲よりも幾分スローに演奏するのが普通ではあるにしても、老人性か、のんびりとした性格かにより大体が、実際の曲よりスローになってしまう。若い方の曲など、実際の歌を聞いて違いにびっくりすることがある。そう云う意味では、ぼくの演奏は、実際の曲とは別の曲(編曲)とも云えるかなー。(笑い)

今年のオリコン一位は、やはり「千の風になって」である。ぼくは流行や現在の世間の状況には無頓着に生きているので、この曲を実際に知ったのも、つい最近のことである。ネットで何かのきっかけで偶然にホームページに行き、曲の誕生の謂れを知り、自分の身とまったく同じことから生まれた事情に、心動かされて、楽曲の楽譜を探しました。幸いギター楽譜も直ぐに見つかり、自分のホームページの一ページのBGMにすることが出来ました。

アメリカでの原曲はどうあれ、この日本語詩から感じることは、日本人の本当の原初の感性を現していると思う。ここからは、墓地の前で先祖を敬う心や、仏教や神道などの出来上がった宗教心より以前の、日本人が発生した時点での数万年に渡る原始生活を送っていた頃、所謂、石器時代人や縄文人の頃の、自然の懐にいだかれて平和に暮らしていた頃の素朴な感性があると思う。ルソーの云う自然人も、こんな風なことであろうか。これを近代的なヨーロッパ知では、アニミズムという概念で現しているようだ。キリスト教的な文明から生まれたヨーロッパ知から見て、非常に未発達の、宗教とは云えない低いレベルの宗教と云われているが、ぼくには、アニミズムが、これからの地球的規模でのインターナショナルな宗教概念となるように思う。アニムズムは、その後、自然環境に恵まれた日本では多神教となり、砂漠の荒地では一神教のユダヤキリストイスラム教となり、高度の宗教になったと云われている。はたして、高度になったのだろうかと言いたい。

現在の日本人が、「千の風になって」に感じるところを持ち、この曲をヒットチャート一位にしたということは、日本人も捨てたものではない、もっと自信を持とうではないか。
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