季刊美術誌
  
花美術館 Vol. 19
     (松本竣介 特集号)
      p. 82-83 掲載

 現代洋画 知性とヒューマニズム
 季節の移り変わりを色彩のニュアンスで表現
    として、紹介されています。 





入り江のヨットハーバー

非常に実直、率直に描かれたパステル画。あくまで無邪気に描きこんだところが長所。夏の日差しの色彩を、空と、船体や海面の反映に託して見事に再現されているところは心地よいと思う。じっさい画面に満ちたこの「勢いのある光の具合」を見ることのできるのは、夏と言っても短く、・・せいぜい立秋までである。(評者;小出竜太郎)

冬ばれの日

冬の空は澄んでいて遠方まで透けていて素晴らしい。パステル独特の透明感を活かし、途切れた線、太い線や細い線など物を描く素描力は秀逸である。(評者;鈴木輝實)

散歩道の秋模様

逗子と鎌倉の間に古い散歩道があり、・・まるで鎌倉時代の源頼朝が散策した場所にタイムスリップしたような光景で描かれている。
(評者;鈴木輝實)

作者の思い

3月はじめに雑誌社から、プロアマを問わず、現代作家の作品を発表する企画があり、
作品を投稿しないか、という電話がありました。
第23回 現代パステル作家協会展 出品作(入り江のヨットハーバー)が、
評者の目に留り候補に挙がっているとのこと。

こちらは趣味でスケッチを続けているだけの素人であり、
美術会の状況にも門外漢で事情が分からないまま、
お話を安穏に受けてしまいました。
一つ生きている証みたいなものを残せるかなとの思いだけです。

3月11日 日本のすべての人々に、これからの生き方を根本から変更を促す程の
東北関東大震災が発生しました。
雑誌の特集、松本竣介も岩手の人です。
最初に声かけていただいた担当者も、災害により途中退職されました。
また、候補作品に推薦していただいた評者;
小出竜太郎の祖父;小出楢重の出身学校が市岡中学であり、因縁を感じました。

雑誌に投稿された方々、すべてが立派な画家、画歴の方々であり、
そこに混じって真に申し訳ない程の、
評者によれば、「実直、率直に、無邪気に描きこんだ」だけの作品です。
これからの努力を促されているところです。 (2011-4-20)

木下 俊延

Toshinobu Kinoshita

1939年 東京都生まれ、
市岡高等学校、放送大学(卒業)
1998年 個展1回、
現在 パステル作家協会 および
三浦半島スケッチ会(所属)

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